役立つ情報がわかりやすく手に入る

Vol.17 中国の情報を知る方法 1

2011年9月6日発行

こんにちは、ゴビ太郎です。8月も終わりに近づき、涼しくなってきましたね。もうすぐ中秋節で巷ではまた今年も月餅の広告でにぎわっています。月餅に限らずですが、どうせ送るならやはりおいしいものがいいですね。もらうほうにしてもおいしくないものをもらうと処分に困って、捨てることになると地球環境にもよくないと思うし。

さて、今回はそんなおいしい月餅探しなどを含めた、中国現地の情報を知る方法を少しまとめてみようと思います。これまで書いてきた「中国に住む方法」「中国で仕事を探す方法」の続きのような感じです。

具体的には日本食レストランや美容院、病院、中国語学校などといった情報はガイドブックにはまず掲載されていないでしょう。でも、実際現地に住むとなると必要なのはこういった情報になります。観光地や中華料理レストランの情報などは重要度が下がります。

というわけで、今回のコラムは「中国での方法シリーズ」第3弾、中国の情報を知る方法について書いてみます。今回も書いていたら長くなってしまったので、2回に分けて発信したいと思います。ご覧ください。

[1.フリーペーパーの入手]

中国現地の情報を知る方法として最も有効なのは、現地の日本人向けフリーペーパーです。フリーペーパーとは広告収入を元手に、購読者は無料で読むことができる雑誌です。日本でも各地で発行されていますが、中国でも大きな都市ではたいてい日本人向けフリーペーパーが発行されていて、現地の日本人に重宝されています。

そんなフリーペーパーの情報が現地生活では最も役に立つものとなります。中国に住み始めた人、住むことが決まった人はまずフリーペーパーを手に入れるところから始めましょう。

また、これから中国に住むことを考えているというような人も必見です。マンション情報や引越し屋さんの情報、日本人が多く住む地域の詳細地図など、実際の生活に関わる情報がたくさん掲載されています。

そんなフリーペーパーにもいくつか種類がありますので、分類しながら見ていくことにしましょう。

1-1 全国版フリーペーパー

中国のフリーペーパーは発行されている地域で分けた場合、全国版と地域版の2種類があります。全国版は全国主要都市で同一ブランドで発行されているフリーペーパーで、この業界では規模の大きい会社が制作・出版しているものです。それに対し、ある地域のみで発行されている地域限定フリーペーがあり、こちらは比較的小規模な会社が発行していることになります。

それぞれ代表的なものを取り上げてみます。まずは全国版から。

①Whenever

名称 Whenever ウェネバー
参考URL http://www.shwalker.com/
運営母体 メディア漫歩
発行都市 上海、北京、天津、大連、江蘇(蘇州・無錫)、広東
発行頻度 月1回
関連雑誌 Whenever BizCHINA、Bizpresso、らくらくプレス

中国のフリーペーパーで最も有名なのがこのWheneverではないでしょうか。もともと上海で「上海Walker」という名前で発行されていたのですが、日本の「○○Walker」さんと区別するために現在のWhereverに改名しています。「○○Walker」さんとはまったく別物です。その名残なのでしょう、URLにはそのままwalkerがついています。

ボクはいろいろな都市に行ったときにいくつかのフリーペーパーを集めて情報収集することにしているのですが、どの地域に行ってもWheneverが一番厚く、情報量が多い気がします。

聞いた話によると社員数もこの業界では最も多く、一番大きい拠点の上海だけでも100人以上はいるとのことです。

Wheneverは表紙がときどき有名芸能人の写真を使っているのが特徴的で、巻頭カラーには表紙の芸能人のインタビューが掲載されています。日本のちょっとしたファッション雑誌にも負けないような表紙です。

発行母体のメディア漫歩はフリーマーケットや日本物産展などのイベントなどにも関与していることが多く、Wheneverにはそのようなイベント情報も掲載されています。

メディア漫歩は、ビジネス情報に特化したフリーペーパー「Whenever BizCHINA」や、後ほど説明する新聞系フリーペーパー「Bizpresso」「らくらくプレス」なども発行し、日系フリーペーパー業界の横綱といえます。

②Concierge

名称 Concierge コンシェルジュ
参考URL http://www.chainavi.cn/
運営母体 株式会社チャイナ・コンシェルジュ
発行都市 上海、北京、大連、香港
発行頻度 月1回
関連雑誌 needs

以前のコラム「中国で仕事を探す方法」で少し紹介しましたが、株式会社チャイナ・コンシェルジュが発行しているフリーペーパーです。

中国では広告業界は規制が厳しく、外資系企業が自由にビジネスを行える環境にはありません。そこで、広告業を行う会社は、たいてい中国現地の広告会社と組んで事業展開を行うのが一般的となります。そのような中、日本に本社を持ち、外資系企業として中国でフリーペーパーを発行しているのはおそらくこのチャイナ・コンシェルジュだけではないかと思います。そのような意味で、大手フリーペーパーの中では日本色が強いイメージがあります。

他フリーペーパーと異なる特徴としては、「中国で仕事を探す方法」で紹介しましたが、仕事探しに絞った情報発信に力を入れている点があります。「チャイナビワークス」という仕事探し専用の小冊子を発行し、月刊コンシェルジュに同封されて配送しています。チャイナビワークスはWebサイトも持っているのですが、小冊子の情報とWebサイトの情報がリンクしている形も珍しい形態です。

[参考]チャイナビワークス: http://www.chinajob.jp

さらに、北京では毎年日系企業向け合同採用面接会を主催するなど、「求職支援、求人支援」に特に力を入れているように感じます。

また、チャイナ・コンシェルジュは日本に親会社があることにより、日本と中国の連携した情報発信が可能であり、中国人に対して日本の情報を発信する中国語フリーペーパー「needs」を発行したりもしています。

③SUPER CITY

名称 SUPER CITY スーパーシティー
参考URL http://www.chinasupercity.com/
運営母体 天晟グループ
発行都市 上海、北京
発行頻度 月1回
関連雑誌 SUPER CITY ビジネス、SUPER CITY PLUS

不動産事業をメインに展開する中国の天晟グループが発行しているフリーペーパーです。不動産事業を展開しているときに、お客様向けに情報発信を行ったのが始まりと聞いています。そのため他のフリーペーパーに比べ、若干不動産情報が多いような気がします。

イベント等の企画は「Whenever」「コンシェルジュ」に比べ、少し少ない感じがしますが、これら2つのフリーペーパーと合わせて、中国日系フリーペーパーの御三家を形成しています。

Whenever同様、ビジネス情報に特化した情報誌「SUPER CITY ビジネス」や、飲食店中心に紹介している「SUPER CITY PLUS」など関連フリーペーパーを発行しています。

1-2 地域版フリーペーパー

ここまで紹介してきた御三家フリーペーパーが中国の複数の主要都市で発行されているのに対し、ひとつの地域に絞って発行されているフリーペーが各都市に存在します。私が知っているのはごくわずかの都市のものに限られてしまいますが、知っている限りご紹介してみたいと思います。

①<上海> Bros ブロス  http://jpbros.net/

老舗の御三家に次いで比較的最近現れた有力フリーペーパーです。私が初めて目にしたのは2009年春くらいだったと思います。

情報量はかなり多く、単なる広告だけではなく、記事系の情報が多いのが特徴的です。2009年11月からビジネス版も発行され、Whenever BizCHINA、SUPER CITY ビジネスと並び、豊富なビジネス情報を提供してくれています。

発行母体には結構な大手組織が関与しているとの噂で、御三家に対して積極攻勢をかけているような感じです。近々北京にも進出するとの話も聞いています。

②<北京> TOKOTOKO トコトコ  http://www.tokotoko.com/

歴史は比較的古く、第一号発行は1997年です。北京に特化した情報を発信し続けてくれています。トコトコ関係で面白い話題は、日本で知る人ぞ知るフリーペーパー「美少女図鑑」の北京版が初の海外版として2010年8月発行されたのですが、その発行を手がけたのがトコトコの編集長という話題です。「北京美少女図鑑」はつい先日第2号が発行されたようです。こちらも面白いフリーペーパーになりそうです。

[参考]美少女図鑑: http://www.bishoujo-zukan.jp/

③<広東・香港> Crossroad  http://www.ngo-crossroad.com/

以前広州に出張に行ったときにもらってきました。2005年10月に創刊とのこと。

④<大連> Look大連  http://www.looksato.com/

上海、北京と並んで、発行されているフリーペーパーの種類が多い都市が大連。古くから日系企業誘致、日本人誘致に力を入れてきたこの都市は、フリーペーパーの激戦区となっています。そんな大連で見かけたフリーペーパーのご紹介。

Look大連は一説では大連のフリーペーパーの中で情報量が最も多いとのこと。最近上海にも進出しているようで、先日上海版も見かけました。

Webサイトには電子版があり、雑誌の全ページを見ることができます。

⑤<大連> ビブレ  http://www.dlnavi.com/

Webサイトの情報が充実しています。

⑥<青島> すまいる青島  http://smile-qingdao.com/

我らごビーズの拠点である青島にもいくつかのフリーペーパーが存在します。最も情報量が多いのはすまいる青島でしょう。Webサイトで電子版を見ることもできます。

実はこのWebサイト、弊社が運営しております。そして、このフリーペーパー内には、ボク、ゴビ太郎が連載しているページ「ゴビーズ通信『海外ビジネス攻略法』」もありますので、ぜひご覧になってみてください。

⑦<青島> コミュニケーション青島  http://www.qingdaocm.com/

同じく青島のフリーペーパーです。WebサイトではHTML形式で雑誌の概要を見ることができます。

⑧<青島> ナビゲーター

「櫻之華」という日本語学校も経営している会社が運営しています。編集には日本語教師たちも関わっているようです。

1-3 新聞系フリーペーパー

これまで紹介してきたフリーペーパーは全国版、地域版ともに月刊での発行が基本となるものです。それに対し、上海、北京、広州では週刊で発行されているフリーペーパーも存在します。その特徴はやはり情報の新鮮さ。月刊では追えない新鮮な情報を見ることができるフリーペーパーをご紹介します。

①<上海・北京・広東> ジャピオン  http://www.shvoice.com/

創設者片岡さんの強力なベンチャースピリットによって発行されている週刊フリーペーパーです。中国の情報はもちろん、日本のプレスとも提携し、芸能ネタを含め毎週新鮮な情報を発信してくれています。

ジャピオン発行会社は会社としても面白く、起業家を輩出することを美としているため、ジャピオン退社後に中国で起業している人が数多くいます。またそのような気持ちの人たちが集まっているため、勢いがある会社に見えます。

②<上海> らくらくプレス  http://rakurakupress.com/

ジャピオンに対抗する形で2009年に創刊された週刊フリーペーパーです。発行母体はWheneverを発行するメディア漫歩。Wheneverで培った営業力、編集力で日増しに厚くなっていっています。

自社Webサイトでも「総合エンタメ誌」と言っているように、娯楽情報中心のフリーペーパーを目指し、月刊のWheneverとすみわけしているようです。

③<上海> Bizpresso ビズプレッソ  http://bizpresso.net/

らくらくプレス同様メディア漫歩が発行しているビジネス情報に絞ったフリーペーパー。隔週発行です。上海近郊で配布されていて、中国のニュースを中心にビジネス情報が掲載されています。月刊誌ではどちらかというと大きな傾向中心の情報把握になるのに対し、こちらでは日々の新鮮な話題を入手できます。

1-4 専門業界フリーペーパー

これまで紹介してきたフリーペーパーは日本人全体を対象としたものであるのに対し、ある特定の人たちだけを対象としたフリーペーパーも存在します。ひとつだけですがご紹介します。

①<中国全土> EMIDAS  http://nc-net.net/ja/

NCネットワーク・チャイナが発行する製造業の企業を対象としたフリーペーパーです。華東地区を中心に配布され、華北、華南と配布エリアは中国全土に及びます。世界の工場と称される中国でのものづくりに関する情報を入手することができます。

NCネットワーク・チャイナの所在地が上海であるため、掲載されている会社や情報は、上海近郊のものが多いですが、それでも価値ある情報が多いので製造業の方々はご覧になってみたほうがよいでしょう。Webサイトから電子版を見ることができます。

1-5 フリーペーパーの入手方法

ここまで各種フリーペーパーについて書いてきましたが、これらはいったいどこで手に入れることができるのでしょうか?貴重な情報源も入手できなければ話になりません。そこでここでは、フリーペーパーの一般的な入手方法をお知らせしたいと思います。

①現地の日本人が良く行く場所で入手する

最も一般的なのがこの方法です。フリーペーパーはたくさんの人に見てもらえるということを前提にした広告収入で成り立っているわけで、たくさんの人に見てもらわなければなりません。そのため日本人が良く行く場所に置いてあります。

具体的には以下のような場所です。

  • 日本食レストラン
  • 日本人が多いマンション
  • 日系美容院
  • 日系航空会社の窓口(JALやANA)
  • 日系旅行代理店窓口
  • 日本人が良く利用するホテル

入手にあたって気をつけなければならないのが、発行日です。月刊誌の場合はたいてい前月下旬が発行日です。9月号だったら8月下旬、という感じです。発行者としては余るほど発行しても仕方がないため、たいてい当月中旬くらいに在庫がなくなるように配布しています。そのため月半ばくらいになるとたいてい品切れとなってしまい、どこに行っても手に入らなくなります。

フリーペーパーを入手したい場合は、月末に日本食レストランなどを回って集めるようにしましょう。

週刊誌の場合、ジャピオンは毎週金曜日、らくらくプレスは毎週水曜日発行となります。Bizpressoは毎月第1、第3水曜日です。だいたい前日の夜くらいには各場所に到着していますので、早ければ発行日の前日には手に入れることができます。

②ホームページで手に入れる

げっ!今月号入手できなかった!」「フリーペーパーを見てみたいけど、現地まで行けない!」という人のためにご紹介したいのが、ホームページ上で見るという方法です。

以前のコラムでも書きましたが、現在は書籍類もどんどん電子化が進んでいます。フリーペーパーに関しても電子化されているものが結構あります。詳しくは各発行会社のホームページをご覧になってみてください。

雑誌を完全にコピーしたものもあれば、一部分の内容のみのもの、また形式もPDF版から専用システムを利用しているものなど様々です。中にはiPhoneなどのスマートフォンでも見れるようにしているフリーペーパーもあるようなので、興味のある人は探してみてください。

雑誌を完全にコピーしたものもあれば、一部分の内容のみのもの、また形式もPDF版から専用システムを利用しているものなど様々です。中にはiPhoneなどのスマートフォンでも見れるようにしているフリーペーパーもあるようなので、興味のある人は探してみてください。

・フリペワールド: http://www.furipe-world.com/Asia/CHN

世界のフリーペーパーをダウンロードできるサイトです。

中国のものは主要なものがいくつか掲載されていて、無料で見ることができます。

③定期購読する

フリーペーパーというくらいなので無料というのが原則ですが、どうしても欲しいという人はお金を払って購入するという方法があります。購入方法は2種類ありますが、一つ目が定期購読という方法です。

各雑誌ともに、お金を払えば毎月送付してくれるサービスがあります。雑誌ごとに料金は異なるようですが、月刊誌の場合、中国国内であれば年間送料込みで300元~500元くらいのようです。毎月取りに行くのが面倒だったり、取り忘れを防止したい場合などはお金を払っても良いかもしれません。興味のある方は各フリーペーパーの発行Webサイトで調べてみてください。

④ネットショップで購入する

お金を払って手に入れるという方法の二つ目になります。主に日本に住んでいる人用になりますが、インターネットで日本円で主要フリーペーパーを購入することができます。

こちらのサイトをご覧ください。

http://86ch.shop-pro.jp/

ハローチャイナが運営するネットショップです。こちらでは御三家のフリーペーパーを購入することができます。

また同じくハローチャイナが大手の電子書籍ショップFujisanにも出品していて、こちらでも購入することができます。

http://www.fujisan.co.jp/pub/3237

⑤専門店で見る

あまり一般的ではないかもしれませんが、新橋や渋谷に世界のフリーペーパーを閲覧できる場所があるようです。近くの人はそのような場所に行ってみて見てみるのもいいかもしれません。詳しくは以下の記事をご覧ください。

http://shinbashi.keizai.biz/headline/769/

『新橋に「世界の日本語フリーペーパー」図書館

-旅行会社などが開設』(2010年2月1日)

http://camp-fire.jp/projects/view/2

『フリーペーパー専門店「OnlyFreePaper」

オーナーが行くアジアのフリーペーパーを探す旅』

さて、以上、ここまでが情報収集方法その1、フリーペーパーに関してでした。次号では情報収集方法その2「コミュニティー」と、その3「公共機関」について書いてみますのでお楽しみに!

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