役立つ情報がわかりやすく手に入る

Vol.15 中国で仕事を探す方法 1

2011年7月18日発行

ゴビ太郎です。これまで毎月1回コラムを書いてきていたのですが、先月はボクの都合でコラムを書くことができませんでした。ファンの皆さん申し訳ございません。そんなこともあるので、今月はできればコラムを2回書いてみたいと思います。

7月の2回のコラムの内容は「中国で仕事を探す方法1・2」としてみます。以前書いたコラム「Vol.10 中国いいとこ、一度はおいで」、「Vol.11 中国に住む方法」の続き版のような内容です。

書いているうちに長くなってしまったので、2回に分けて発行することにしました。

たくさんの日本人に中国に来てほしいと思っているボクとしては、この内容は以前から書きたかった内容なのですが、今回は特にもう一つの思いがあり文章にしたためました。

その思いというのは、やはり東日本大震災と関係があります。どのようなことかというと、「大震災で被災し、職を失った人たちの雇用機会を中国で作れないか」ということです。震災が起こってすぐ、ボクは直感的に被災者の雇用問題が最も大きな問題になるのではないかと思い、中国で人材関係の仕事を行っている友人たちに相談し、中国での就業機会創出ということを本気で議論してきました。

いろいろな人と話をしてきましたが、一般的に考えると課題が多く簡単ではありません。しかし、「やれるかもしれない、やってみよう」と積極的に賛同してくれる仲間もたくさん出てきてくれました。

現在は日本にいる仲間たちとも連絡を取りながら、中国での就業機会創出に向けて地道な活動を行っているところです。このコラムもその一環であり、日本にいる日本人の皆さんに、中国で働くための方法を分かりやすく説明してみたいと思っています。

ちなみに中国で働く場合、以前のコラム「Vol.11 中国に住む方法」でも書きましたが、大きく次の3種類があります。
A 日本で就職して、その会社からの駐在員として中国で働く
B 中国で現地法人に直接雇用される
C 中国で自分で会社を創業する

今回のコラムでは、最も現実的なBに焦点を当てて方法論を書いてみます。

中国で現地法人に就職する場合の一般的な方法は、以下の2通りになると思います。
1.人材紹介会社に依頼する
2.求人サイトで会社を探す

上記2つの他にも、知人を頼ったり、就職したい会社に直接コンタクトをとったりすることはできますが、いずれも上記2つに比べると就職できる確率は低くなるため、優先順位を落としても問題ないでしょう。

それでは、以下に2つの方法について少し詳しく見ていくことにしましょう。

[1.人材紹介会社に依頼する]

日本同様、中国にも就職あっせんを行う人材紹介会社が存在します。日本人や日系企業を対象とした人材紹介会社も多数存在し、日本人スタッフまたは日本語ができる中国人スタッフが対応してくれますので、このような会社に就職先の紹介を依頼するのがもっとも手っ取り早いでしょう。

1-1 人材紹介会社に依頼する場合のポイント

まずはじめに、人材紹介社に依頼する場合のポイントを見てみます。

①費用は不要

人材紹介社は企業側から紹介料をもらう形態ですので、職探しをしている求職者がお金を支払う必要はありません。

ちなみに人材紹介会社が企業からもらう紹介料は、就職決定時の年収の15~25%くらいが一般的となります。人材紹介会社によって料率は異なるわけですが、人材紹介会社に求人をお願いする企業側から見ると、料率が高い人材紹介会社が良い人材を紹介してくれる会社かというと、そうとも言い切れません。

企業からすると、企業側が欲しがっている人材をタイミングよく提供してくれた人材紹介会社が良い会社となります。そのため企業は求人を依頼するとき、一社の人材紹介会社だけに依頼するということはまず行わず、複数の人材紹介会社に依頼することになります。

そのような実態もあるため、就職先の紹介をお願いする場合も、一社の人材紹介会社だけに依頼するのではなく、複数の人材紹介会社に依頼することをお勧めします。

②日系人材会社が多く存在する

さきほども冒頭でも述べましたが、中国には日系人材会社が数多く存在します。日系人材会社は純粋に日本の企業や日本人が出資して設立された外資企業(合弁も含む)もあれば、中国人が日本企業や日本人を対象として設立した内資企業の2種類がありますが、ここではまとめて日系人材会社と呼ぶことにします。

[日系人材紹介会社]
・外資企業: 日系企業または日本人が出資して設立した会社
中国企業または中国人との合同出資(合弁会社)も含む
・内資企業: 中国企業または中国人が出資して設立した会社

共通する特徴は、何かしら日本または日本語と関わりがある仕事を紹介することです。そして日系人材会社には日本人スタッフがいる場合が多く、中国人スタッフしかいない場合でも、間違いなく日本語ができます。

そのようなわけで、日系人材紹介会社に依頼すれば、すべて日本語で手続きができますので、中国語ができなくても心配ありません。

③登録制

人材紹介社は一般的に登録制になっています。人材紹介社に自分の情報を登録しておき、人材紹介会社がその情報をもとに就職先企業を探してくれるわけです。

人材紹介会社に、自分にとってより適切な会社を探してもらうためにも、この情報登録は非常に重要になります。人材紹介会社は自分の代理人として仕事を探してくれるわけですので、自分がどんな人間なのか、どんな仕事をしたいのか、どんな経験を持っているのか、どんな能力があるのか、どんな待遇を希望しているのか、などを正確に伝えておく必要があります。

紙やメールなどの方法だけではこれらの情報を伝えきれない場合が多いため、ほとんどの人材紹介会社は面談しながら登録する形をとっています。人材紹介会社のスタッフと面談し、履歴書や経歴書とともに、上記の情報を伝えていきます。

そのため、人材紹介会社に登録する場合は、事前に自分の履歴書・経歴書をしっかり作成し、さらに先述のような情報をしっかり考えてまとめておく必要があります。この過程をおろそかにすると、自分の希望と異なる会社を紹介されたりし、関わる人全員が非効率な思いをすることになるので、少々面倒でもしっかり準備しておく必要があります。

また、ここで情報を整理しておけば、実際の企業との面接の時もあわてることはありませんし、今後の人生設計にも役立てることができると思いますので、人生の棚卸という意味も含めてじっくり考えてみるとよいでしょう。

このあたりは日本の就職活動と同じになります。

1-2 主要人材紹介会社

次に、中国における主要な人材紹介会社と、その会社の特徴を簡単に整理してみます。中国での人材紹介事業は外資企業に対して規制が多く、どの会社も何かしら現地の企業と協力体制をとりながら展開しています。

それぞれの会社の特徴はインターネット上での情報や、ボクが個人的に見聞きして知り得た情報ですので、あくまでご参考程度としてください。

① インテリジェンス

中国での名称 英創人材服務
URL http://www.yingchuang.com/jp/
設立 2007年4月(1996年創業)
社員数 150人
本社所在地 上海
拠点所在地 上海、北京、広州、大連、天津、蘇州

日本資本参加型としては大手になります。インテリジェンスが2007年に上海の老舗人材紹介会社「創価グループ」を買収してできました。創価グループはやはり同じく日系人材紹介会社として、上海で歴史があり、顧客も持っていました。そのためインテリジェンスは日系大手人材紹介会社の中では、中国進出は比較的遅めの方ですが、現在では中国でも知名度、売上高、社員規模などは業界No1ではないかと思います。

日本側が強いリーダーシップを持っているようで、日本のインテリジェンスから結構な数の日本人社員が中国に派遣されてきているようです。そのため他社に比べると、日本側と中国側との連携が強く、日本から中国の職探しをしたい場合などは有用かと思われます。

また、各拠点間での連携に関しても、中央コントロール型で情報を統一し、しっかりした管理体制ができているように思われます。

広告宣伝費にはお金をかけているようで、各フリーペーパーや各種ホームページには必ず広告が出ています。自社ホームページもしっかり作成されており、中国での基盤を固めつつあるといったところです。

管理体制や広告宣伝にお金をかけていることもあるためか、紹介料の料率は業界で最も高い方になります。しかしながらそれでも、企業と人材のマッチングの精度は高く評価されているようで、利用する企業は多そうです。

総経理の金さんは業界でも有名人で、セミナーや講演会でよく講師を務めていらっしゃいます。ボクも一度彼の講演を聞きに行ったことがありますが、豊富な経験と熱い思いをお持ちの方で魅力的でした。

② パソナ

中国での名称 保聖那人才服務
URL http://www.pasona.com.cn/
設立 2006年3月
社員数 50人
本社所在地 上海
拠点所在地 上海、北京、広州、大連、深圳

パソナはもともとは日本パソナの出資でできた会社ではなく、内資企業として設立した会社にパソナの名前を付けて事業展開していました。その理由はやはり規制の問題です。以前は外資企業にはライセンスが下りなかったため、このような形にしたと考えられます。その後、様々な経緯を経て現在は正式に日本パソナの関連会社となっているはずです。

このような資本関係もあるためか、パソナは日本との連携というよりは現地ならではの手法による展開に力を注いでいるように感じます。日本からの駐在員をできる限り減らし、現地化を進めているようです。

大連以北は日本のパソナテックが別法人を設立して展開しています。これもやはり規制の問題があったと考えられます。中国では都市によってもルールが異なることあります。また、パソナ本体とパソナテックのそれぞれの会社ごとの目的が異なったことも理由となると思います。

いずれにしても現在ではパソナとパソナテックと法人は異なりますが、業務内容は同じで、管轄地域で棲み分けしているようです。もちろんパソナテックの方がIT系に強いということは言えそうです。

以上を踏まえて、全体としては現地化を進めながらも日系企業のサービス品質を保ちながら事業展開を行っていて、企業側にとっても、求職者側にとっても頼りになる会社と言えると思います。

③ テンプスタッフ

中国での名称 天欣福人才服務
URL http://www.tempstaff-sh.com/jp/
設立 2010年4月
社員数 -
本社所在地 上海
拠点所在地 上海、蘇州

他の日系人材紹介社と比較すると拠点も少なく規模が小さく感じられますが、日本からの駐在者も常駐し、小さい分きめ細かな対応をしてくれる会社です。

他社と大きく異なる点は、人材派遣サービスを行える点にあります。やはり規制の問題で中国では原則として外資系企業に人材派遣サービスを認めていません。ただし、これにも様々な地域的な例外もあり、テンプスタッフは日系企業として初めて中国で人材派遣のライセンスを取得しています。
[参照]http://www.jinzai-business.net/news_details073.html

中国での人材派遣というのは、法人がない会社(駐在員事務所など)に対しての事務員の派遣や、工場労働者などのワーカー派遣が一般的ですので、日本とは若干異なります。そのため、日本人が派遣社員として働くということはまずないため、求職者からすると派遣ライセンスを持っているかどうかというのはあまり関係ないのですが、中国での展開に力を入れている会社ということで信頼できると思います。

④ リクルート

中国での名称 RGF HR AGENT
URL http://www.rgf-hragent.com.cn/jp/
設立 2006年10月(創立2001年4月)
社員数 -(広告部門、結婚部門含めると270人)
本社所在地 上海
拠点所在地 上海、北京、広州、深圳、香港

日本で就職活動というと真っ先に思いつくのがリクルートのリクナビでしょう。ほとんどの人がこのサイトを利用して就職活動、転職活動を行っていると思います。日本では標準サイトになってしまっていますね。

日本でそれほど大きな影響力を持つリクルートですが、進出は2006年と、他社と同じくらいの時期となっていて、それほど早かったわけではありません。しかし、その方法が大胆で業界には衝撃が走りました。

中国で最も有名な就職支援会社に51jobという会社があります。この会社はいわば日本のリクルートのような会社で、やはりインターネット上で51jobというサイトを運営し、就職活動を支援しています。しかもこのサイトは非常に有名で、就職活動支援において事実上中国の標準サイトと言っても過言ではありません。そのような意味でも日本のリクルートと非常に似ています。

リクルートは51jobが中国で最大手の人材会社ということに目をつけ、この51jobに資本参加するという形をとり、資本提携・業務提携を行い中国人材事業に参入しました。その額も1億1千万米ドルと相当な金額です。中国での事業への力の入れようが見てとれます。
[参考]http://www.recruit.jp/news_data/old/2006/04/NR20060405_02/index.html

中国でのインターネットビジネスにはかなり規制があり、2006年当時、外資企業がインターネット上で人材紹介業を実施するのは不可能でした。そこで51jobと手を組むことにより、今後も伸びるであろうインターネットビジネスを見据えた人材事業戦略を考えたと思われます。

その後、2009年にアジア地域での人材会社の老舗Goog Job Creationを買収し、社名を現在のRGFに変更しています。

リクルートの中国での強みとしてはやはり51jobとの連携があり、登録者数が多い点にあります。求人案件を見つけるよりも登録者数を増やす方が難しいこの業界において、他社より優位性があると言えます。企業から見て、ということになりますが。

インターネットを利用した人材紹介事業の展開はなかなか苦戦しているように見えます。

当初51jobのサイト内に「日企専版」という日本企業専用のサイトが設けられ、日本のリクナビのようなサイト構築を目指していようですが、やはり知名度が低かったせいかあまり功を奏せなかったようで、現在では51jobから独立して単独で存在しています。

中国では日本と異なり、企業が採用時に丁寧に会社情報を作りこむ作業を面倒に思う傾向があるということも、インターネットサイトがうまくいっていない理由の一つではないかと思います。

Good Job Creationとの合併を機に、インターネットサイトより、アナログでの人材紹介にますます重点が移ってきているように思われます。

インターネットを使った採用活動に可能性を見出しているゴビーズとしては、これからもリクルートに頑張ってもらいたいと思っています。

ちなみにリクルートは中国では人材事業以外に、ゼクシーのような結婚情報事業、ホットペッパーのようなクーポン情報事業などを展開しています。

⑤ JAC

中国での名称 JAC
URL http://www.jac-china.com/
設立 2004年12月
社員数
本社所在地 北京
拠点所在地 北京、上海

日本に住んでいる方にはあまりなじみのない会社かも知れませんが、アジア地域では比較的有名な日系の人材紹介会社です。1975年にイギリスで日系企業向けの人材紹介会社としてスタートしている会社で、主に海外での展開が中心となります。

中国進出は2004年、他の会社が上海に本社を置くなか、北京でスタートしています。中国法人には日本からの資本は入っていなかったと思いますが、日本人主導の日系の会社として中国でもブランドがあります。

拠点は北京と上海となりますが、この2つの地域では比較的早くから展開している経験とブランド活かし、日系企業から支持を得ています。

 

この他にも大小含め中国には40~50社の日系人材紹介会社があると言われています。その都市にしかない人材会社等もあります。リクルート運営の以下のサイトに中国の主な日系人材紹介会社が掲載されていますのでご覧になってみてください。

http://kamome.cn/kamome/index.php?itemid=634

また、行きたい場所が先に決まっている場合は、その場所で発行されているフリーペーパーなどを参照し、人材紹介会社を見つけるのがよいでしょう。地域ごとのフリーペーパー情報はまた別の機会に紹介してみたいと思います。

つづく

Comments are closed.