役立つ情報がわかりやすく手に入る

Vol.13 注目したいITサービス

2011年4月28日発行

ゴビ太郎です。今回も前回のコラムに引き続き、311大震災後に強く感じたことの一つについて書いてみようと思います。それは、新しいITサービスの使用が一般市民レベルでますます活発になってきているということです。そして、その結果、企業もITサービスの活用方法を大きく変えていく必要が出てきているのではないか、ということでもあります。

このことをお話しするために、少し時間をさかのぼって3月11日の地震直後を振り返らせていただきます。

当日ボクは外出中に地震のことを知りました。会社から電話が入り、東北地区太平洋沖で大きな地震があったとの連絡を受けました。その後夕方会社に戻り、インターネットなどで被害状況を確認していましたが、どれくらいの被害なのかもう一つ伝わってきませんでした。その甚大さを知るのは家に帰って日本のテレビを見てからになります。

ボクの家は日本のNHK、民法すべて見れるのですが、どの番組をつけても地震のニュースのみ。もっぱらNHKを見ていましたが、そこで流れる津波の映像は本当にショックで、テレビを見ながら涙が止まりませんでした。ゆかりある土地が津波に飲まれ、各地で火災が発生し火の海となっている情景は映画を見ているような感覚でした。

Twitter(ツイッター)開始

そんなNHKを見ていて、ちょっと違和感を持ったというか、気になったことがあります。頻繁に繰り返される「Twitterでも情報をご覧になれます」というアナウンサーの言葉でした。ボクはもちろんTwitterの存在はしっていましたが、中国からTwitterにアクセスできないこともあり、自分自身実際にTwitterを使ったことはありませんでした。

そのため、「Twitterで情報を見るってどういうこと?」「Twitterで何ができるの?」と頭の中がクエスチョンマークだらけでした。そこで、「これはTwitterを使ってみなければ」と思い立ち、副社長タカハシの助けも借りて、なんとか中国からアクセスする方法を見つけ、アカウントを作り、震災の翌日3月12日に晴れてTwitterユーザーとなりました。副社長タカハシはさすがこの分野には強く、すでに数年前からTwitterを行っているようでした。

Twitterを開始してみたのはいいものの、何をどうすればいいのか、その良さはどこにあるのか、当初はまったくわかりませんでした。とりあえずみんなのまねをして、知り合いをフォローしたり、有名人をフォローしたりしてみたりしていました。

そんなこんなして1週間もたつと、Twitterの情報がとんでもなく新鮮で、早く、多く、信憑性も高い、要するに非常に便利なものだということが分かりました。具体的にどういうことかというのはこれから説明していきますが、とにかくこういう緊急事態にNHKが言及するくらい利便性が高いものだということは理解できました。

そして現在、使い始めて1ヶ月半、副社長タカハシの指導のおかげもあり、Twitterのビジネス上での有効性などもかなり体系的に考えられるようになりました。

少し長くなってしまいましたが、ここまでは前振りで、ここからが今回のコラムのテーマにつながっていきます。今回のコラムでは、このTwitterのように、比較的新しいITサービスの中で、今後私たちの生活、ビジネスに重要になっていくのではないかと思われるサービスについて少し書いてみたいと思います。

今回は注目したいITサービスとしては、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、mixi(ミクシィ)のようなSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNS)とYouTube(ユーチューブ)、USTREAM(ユーストリーム)などの映像系サービスの2つを取り上げて、思うことを書いてみたいと思います。

SNS

SNSは簡単に言うと、インターネット上で人と人がつながるのを支援するサービスのことです。友人、知人はもちろん、友人の友人、時には有名人などともネット上でつながることができます。つながって何するのかというと、その人の日記・コラムを読んでみたり、その人が撮影した写真を見たり、それらにこちらからコメントしてみたりするわけです。

一般的なユーザーの場合、基本的にはネット上で世間話する感覚です。物理的に離れた知り合いとコミュニケーションがとれるわけです。「この前こんな場所に行ってきたんだよ」「へぇーきれいだね。今度私も行ってみよう。」と、こんな感じですね。そして、友達の友達や、同じような趣味を持っている人同士がネット上でコミュニティを作ったりするわけです。

このSNSについてどんな注目すべきことがあるのか、少し私見を述べてみたいと思います。

① コミュニティ形成力

前述したような使い方だけを見ていると、SNSは単なる趣味のためのサービスにすぎないように見えるのですが、この「コミュニティを作る」という力が、時にすごい大きな力になる時があります。コミュニティへの参加者数が数十万人、数百万人規模になると、ネット上とは言えものすごい一大勢力が出来上がることになります。そのコミュニティでの議論が政治にも影響してしまうほど力を持つこともあるわけです。

エジプトのムバラク政権崩壊は、Facebookがきっかけとなって行ったと言われていることは皆さんの記憶に新しいことでしょう。ちなみにTwitterやFacebookは世界を対象として多言語対応されているサービスで、利用者は世界各国に及びます。このようなサービスを使って世界中の人たちが交流できる場所ができてしまったんですね。その点、mixiは日本人向けサービスですので、基本的には日本の中で日本人同士で流行ってきています。

今回の震災後もSNS上でたくさんのコミュニティができました。ボランティア、応援、被災者、地元復興、などのキーワードで誰かがコミュニティを立ち上げ、その方針に同意する人たちが参加しています。このコミュニティでの動きがもとになって、たくさんの義援金が集まったり、ボランティア活動が行われたり、復興のためのアイディアが出されたりしているのです。

そして、このコミュニティ形成力というのは、ビジネス上でも十分利用できます。自社ブランド製品に興味がある人のコミュニティを自ら構築したり、レストランや店舗であれば、自分たちのショップのファンサイトを自ら構築しファンを作っていくなどのブランディングが可能です。地味な活動が必要になりますので、簡単ではないかもしれませんが、このような顧客囲い込み活動が可能です。

② 情報フィルタリング力

Twitter、Facebook、mixiに共通している機能として、「つぶやき機能」があります。この大本はそのサービス名自体が表わしているTwitterです。Twitterには「鳥がさえずる、人がぺちゃくちゃしゃべる」などの意味があります。そこから「つぶやく」という日本語が定着しました。

Twitterの機能を簡単に説明しておくと、Twitterの自分のページ上で、自由に発言(メッセージを投稿)することができます。ただし、一つのメッセージで書ける文字数は140字までとなっており、いわゆる長い文章などは書けません。他人のつぶやきも自由にのぞくことができます。他人に対して自分から自由にコメントすることができます。気に入った人がいた場合、その人を自分のお気に入りに登録する(フォローするという)とその人がつぶやいた内容がすべて、自分のページに表示されます。Twitterを利用している人は検索することで見つけることができます。芸能人や業界の有名人、首相官邸や政党などの組織もTwitterを使っているため、そのようなユーザーをお気に入りに登録しておけば、彼らのつぶやきを見ることができるわけです。そして自分のほうからコメントもできるため、有名人に対して直接話しかけることも可能なわけです。相手が返事をしてくれるかどうかは別ですが。

もう少しわかりやすく例えて言うと、世界中の人々が参加しているでっかいパーティー会場があり、あちこちで世界中の人が会話していて、その会話をみんなが自由に聞くことができて、会話に入っていくともできる、という状況です。Facebookもmixiにあるつぶやき機能も基本的には同じです。

このつぶやき機能に関しても、一般人が友人、知人同士でお互いのつぶやきを確認している段階では単なる趣味の延長になるわけですが、これが有名人のつぶやきとなると話は変わってきます。

有名人ほどフォローされる数が増え、フォローしてくれている人数(フォロワーの数)が多いほどTwitter上でステータスが高いと言えます。例えば、ソフトバンク社長の孫正義さんはフォロワーが1,123,786人、マイクソフト会長のビルゲイツさんは2,535,368人です(2011年4月27日現在)。彼らが一言発すると、百万人以上の人たちがそのつぶやきを見ることになり、これくらいの数のフォロワーがつくと発言するほうにも責任が出てきます。

そうするとどのような現象が起こるかというと、フォロワーの数が多くなればなるほど、その人の発言には無意味な発言が少なくなってきます。本来のポロっと出るつぶやきではなく、例えば世の中の役に立つ情報だったり、考えだったり、重みのある一言になります。そしてだからこそみんながその人をフォローするということになるんですね。

それで何が言いたいかというと、上記のようにある業界の有識者が責任を持って発言する情報というのは、その人によってフィルタリング(選別)された情報であり、結果的に信憑性が高い情報になるということです。また友人や知人など知っている人からの情報も、特に実際にその人が経験した情報などの場合(例えば「○○のパンはおいしいよ」とか)は、非常に信憑性が高く、信用するに値する情報になるでしょう。そのような場合も、その友人、知人によって情報がフィルタリングされているわけです。

この自動フィルタリング機能は仕事でも活用できます。業界の動向を知りたければ、その業界の権威者をフォローすればいいし、ある地域の情報を知りたければその地域でフォロワーが多い人を検索し、その人の情報を頼りにする、とかね。

情報化社会と叫ばれ情報があふれかえる現代、自分にとって必要な情報を集める手段を確立しておくことが重要になります。これまでのようにテレビで言っていたことを信じればいいとか、学校の先生が言っていたことを信じればいいとか、そういう時代ではなくなってしまいました。自分自身でその情報が正しいかどうかしっかり検証する力が必要とされています(このあたりに関しては前回のコラムでも書きました)。そのような意味で、Twitterなどのつぶやき機能は自然にフィルタリングされる便利な機能が備わっていると言えます。

このことは、私自身がTwitterを使ってみて感じたことでもありますが、たまたま同時期に読んでいた元ライブドア社長の堀江貴文さんの著書「稼げる 超ソーシャルフィルタリング」にも書いてあります。この原稿を書いている時点で堀江さんには実刑判決が下りましたが、一時期ネットビジネスの頂上にいた彼の仕事処理方法は参考にできるものがあると思います。

③ 情報の生鮮力

こちらも主にTwitterに代表されるつぶやき機能の力になりますが、何と言ってもそこで流れる情報は新鮮です。今回の震災で最も活躍したのがこの情報の生鮮力でしょう。「どこどこにけが人が何人いる」「だれだれは無事だ」「どこどこに支援物資を求む」など、生の声がリアルタイムで飛び交いました。

電話は通じず、メール機能もダメ。でも携帯端末からインターネットには接続できて、上記のような会話がTwitterやMixi上で行われました。それをもとに協力できる人たちが動いたわけです。

大勢の人たちで鮮度の高い情報交換ができるという点は、これまでのITサービスにはなかったことですので今後も注目していきたいと思っています。ビジネスでもきっと活用できることがあると思います。

映像サービス

SNSと並行して今回の震災で大活躍したのがYouTubeやUSTREAMといった映像系サービスだと思います。こちらもIT初級者のために少しそれぞれのサービスを説明しておくと、YouTubeはインターネット上に動画を保存しておいて、世界中のみんなで共有できるというサービス。USTREAMはインターネットを通して映像をリアルタイムで世界中のみんなと共有できるというサービス。録画放送か、生放送かの違いのようなものですね。中国在住の方はご存じの通り、どちらも中国からはアクセスできなくなっています。

今回は特にUSTREAMが活躍したように思います。枝野官房長官の会見なんかも流れていたと思うし、原発関係の有識者同士のディスカッションの様子などもUSTREAMで放送されていました。

YouTubeでは震災の時、個人が撮影した被災地の様子などが掲載されていて、その壮絶さを現在も改めて確認できます。また復興の様子なども随時掲載してくださっている方もいらっしゃるようで、震災から1ヶ月半たった現地がどんな状況なのかを知ることができます。

これら2つのサービスも今回の震災で公的機関によって公に使用されたことによって、今後ますます一般的になっていくのではないかと思っています。

文字よりも音声、音声よりも映像で物事を多数の人に伝えていくことが、インターネットサービスを使うことにより、より容易になりました。こちらも個人というよりは企業が意識しなければならないことだと思っています。

これまでの紙での会社案内、営業資料ではなく、電子化されたホームページはもちろん、映像などでのプロモーションがどんどん一般的になっていくでしょう。自社の会社案内、サービス説明を動画で行ってホームページで見てもらうとか、または製品の使い方説明書のようなものをわかりにくい分厚い紙ではなく、映像化したDVDで配布するとか、このような動画、映像での表現がますます一般的になっていくと思われます。

実際、すでに日本では株主総会をUSTREAMで行っている会社は多数ありますし、一般の大手企業であれば採用活動では必ず自社PRのためのDVD映像を持っています。この流れは間違いなく中国にも来ると思います。中国でもインターネットで映像を見るということはすでに当たり前になっていますし、静止画より動画のほうがわかりやすいのは万国共通です。中国ではほとんどの企業がまだこの流れに気づいていない気がします。

特に日系企業はPRの仕方があまり上手ではないと言われています。「良いものを作れば売れる」という考えが強いのか、作った後の見せ方において、ボクたちでさえもったいないと思えるものがたくさんあります。この見せ方に関しては、品質が劣るものを手を変え品を変え売っていく中国のほうに分がありそうです。

ボクたちゴビーズとしては、日系企業支援隊として、見せ方の面でも協力していきたいと思っています。

さて、ここまでSNSと映像系サービスについて思うことをだいぶ長く書いてきましたが、ボクが思うに、これらの機能や使われ方は決してそれぞれのサービス本来が意図していた結果ではないと思っています。いわゆる意図せざる結果ってやつ。もともとこうやってやろうって考えられて、今のようになったというわけではなく、何となくやっていたら、こんな風になっちゃった、という感じです。

社会なんてすべてこんな感じで動いていると思うんだけど、大切なのはやっぱりその時の大きな流れをしっかり見て、それに対して自分として主体的に関わっていくことなんじゃないかと思います。無視するでもいいんです。それが全体の流れを知った上で自分で決めたことであるならば。

問題は大きな流れが見えずに、何となく流されてしまうことではないかと思います。何となく流されてしまうと、自分がどういう方向に進めばいいかよくわからないので、人生に結構悩んでしまうと思うんですよね。五里霧中、暗中模索ってやつですね。そして、自分でうまく舵をとれないので、ちょっと問題が起こるとすべて他人のせい、世の中のせいにしてしまいたくなって悪循環に陥るような気がするんですよね。

個人としてもそうですけど、少なくとも会社を経営するものとしてはやはり時代の流れのようなものをしっかり見る目を養わなければならないなと思っています。ボクたちが見れている部分はまだまだ局所かもしれませんが、それでもIT業界の分野に関してはそこそこ流れを見ている自信があります。

私たちのほんのささやかなつぶやきが少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
というか、お役に立つことができるようにこれからも一生懸命頑張っていきます!
みんなでIT化の大きな流れを読んで、ITサービスを使いこなしていきましょう!

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